初詣に何箇所も行くのはあり?はしご参拝の考え方やマナーについて

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初詣に何箇所も行くのはあり?はしご参拝の考え方やマナーについて

お正月が近づいてくると、「今年はどこの神社やお寺に初詣に行こうかな?」と計画を立てるだけでもワクワクした楽しい気持ちになりますよね。

地元の慣れ親しんだ神社にお参りするのも落ち着きますし、テレビやSNSで見かける有名なパワースポットにも足を伸ばしてみたくなったりと、行きたい場所がたくさん浮かんでくる方も多いかなと思います。

でも、初詣に何箇所も行くことについて、ふと不安を感じたことはありませんか。

「複数の神社をはしごして回ったら、神様同士が嫉妬して喧嘩するんじゃないか」「あちこちでお守りを買ったり、おみくじを何回も引くのは神様に失礼なのかな」と、正しい順番やマナーが分からなくなってしまうこともあるはずです。

実は私も以前は、「欲張っていろいろなところへ行くと、せっかくのご利益が打ち消し合ってしまうのでは……」と心配していた一人でした。

せっかく新年を前向きな気持ちでスタートさせようとしているのに、ルール違反になってバチが当たったら嫌ですよね。

この記事では、そんな初詣のはしご参拝に関する疑問をスッキリと解消し、気持ちよく新年を迎えられるよう、伝統的な背景や参拝マナーをわかりやすく丁寧にお伝えしていきますね。

この記事を読んでわかること
  • 神様が喧嘩しないという理由と日本の伝統的な考え方
  • 神社とお寺を両方巡る際の正しい順番と参拝マナー
  • 複数のお守りを持つときのルールやおみくじの引き方
  • 喪中や忌中の場合に初詣へ行くときの注意点

初詣に何箇所も行くのは問題なし!神様が喧嘩しない理由

結論からお伝えすると、初詣で複数の神社やお寺に足を運ぶのはまったく問題ありません!

むしろ、昔から日本においては、複数の社寺を巡る巡礼の文化は大変縁起が良く、功徳を積む行為とされてきました。

ここでは、なぜ何箇所もお参りして良いのか、その背景にある日本ならではの宗教観や歴史について詳しく紐解いていきましょう。

神様が喧嘩する迷信の真相と八百万の神が歓迎する理由

「違う神様にお祈りすると、神様同士が嫉妬して喧嘩するからご利益がなくなる」という噂を耳にしたことがあるかもしれません。

ですが、これはまったくの迷信ですのでどうぞ安心してくださいね。

日本には古来より「八百万(やおよろず)の神」という信仰があります。

山、海、川、風などの大自然はもちろん、台所やかまど、井戸に至るまで、森羅万象あらゆるものに神様が宿っていると考える非常に大らかで豊かな思想です。

それぞれの神様には得意な分野や役割があり、互いに尊重し、協力し合いながら私たち人間や国土を見守ってくださっています。

つまり、神様の世界には足の引っ張り合いや嫉妬などは存在しません。

「自分のところだけでなく、あちらの神様にも新年の挨拶へ行ってきたんだね」と、むしろ参拝者の熱心な心を温かく歓迎してくれると考えられているのです。

神様の嫉妬はどこからきたの?

「神様が嫉妬する」という俗説は、ひとつの絶対的な神のみを崇める一神教的な価値観や、人間界の「二股」や「浮気性」といった人間特有の感情が、後から勝手に神様へ投影されて広まったものと言われています。

日本の神様の世界はもっと広く、懐が深いので心配いりませんよ。

福岡の三社参りや七福神巡りに見る伝統的な複数参拝

実際のところ、日本には昔から複数の寺社を巡拝する風習がしっかりと根付いています。

その代表的な例が、お正月の定番行事でもある「七福神巡り」です。

恵比寿様、大黒天様、毘沙門天様、弁財天様、福禄寿様、寿老人様、布袋様という7つの異なる神仏を巡って福徳を祈願します。

しかもこの7柱は、日本古来の神様だけでなく、インドのヒンドゥー教や中国の仏教・道教由来の神仏が手を取り合って構成されているのです。

また、西日本、とりわけ福岡県を中心とする九州地方や中国地方では、正月に3つの神社を参拝する「三社参り」という伝統行事が今も生活の一部として息づいています。

東洋の思想において「3」は調和と安定を表す縁起の良い完全数とされており、複数の神様から多角的な加護を授かる知恵として大切に継承されてきました。

七福神巡りや三社参りといった歴史ある風習からもわかる通り、複数箇所へお参りすることは欲張りどころか、古くから親しまれてきた由緒ある参拝スタイルです。

後ろめたさを感じる必要はまったくありませんよ。

神社とお寺を両方参拝しても大丈夫?神仏習合の歴史

「神社にお参りした後に、お寺へ初詣に行ってもいいのかな?」「神様と仏様が混ざると失礼になるのでは?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

こちらも結論を言えば、まったく問題ありません。

日本には、飛鳥時代から明治維新を迎えるまでの1000年以上にわたり、神道と仏教が融合して調和を保ってきた「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」の長い歴史があります。

神社の境内に寺院(神宮寺)が建てられたり、お寺の守護神として神社が祀られたりと、神様も仏様も同じように人々を救ってくれる尊い存在として共存してきました。

現代の私たちの生活でも、赤ちゃんの誕生を祝う「お宮参り」や七五三は神社で行い、ご先祖様の葬儀や法要はお寺で営むのが一般的ですよね。

(出典:文化庁『宗教年鑑』)

神社とお寺の双方へ新年の挨拶に伺い、それぞれの手法で手を合わせることは、日本の伝統文化として非常に自然で美しい営みと言えます。

初詣は明治生まれの風習!元々は吉方を巡る恵方参り

「元旦には特定の有名な神社へ厳格に1回だけ行くものだ」という固定観念をお持ちの方もいるかもしれませんが、実は現在の「初詣」の形式が定着したのは、明治時代中期以降という比較的新しい歴史を持っています。

江戸時代までの日本では、大晦日の夜から元旦の朝にかけて地元の氏神様の社殿に籠もって新年の豊作や平安を祈る「年籠り(としごもり)」や、その年の福徳を司る方角(恵方)にある社寺へ参拝する「恵方参り」が主流でした。

これが明治から大正にかけて大きく変化します。

鉄道各社が自社の路線を利用してもらうため、「お正月は電車に乗って郊外の有名社寺へ参拝しよう」という大規模な集客キャンペーンを展開したのです。

この広告戦略が功を奏し、全国的なレジャーや年中行事としての「初詣」が急速に普及していきました。

このように、参拝の形態は時代や生活様式に合わせて柔軟に形を変えてきたものなので、あまり堅苦しく考えすぎなくても大丈夫かなと思います。

はしご参拝で避けたいついで参りと参拝意識の切り替え

何箇所参拝しても神様が怒ることはありませんが、参拝者側の心構えとして注意しておきたいマナーがひとつだけあります。

それは、「ついで参り」にならないようにすることです。

「ついで参り」とは、初売りでの買い物や友人との観光、飲食などの用事の片手間に、「近くにあるからちょっと寄っていこうか」と軽い気持ちでお参りしてしまうことを指します。

これは神様や仏様を主目的とせず軽視する行為とみなされ、礼儀に欠けるとされています。

複数のはしご参拝を行う場合でも、鳥居や山門をくぐる前には必ず足を止め、服装を整えて一礼しましょう。

「ここからは神聖な境内に入る」と気持ちをしっかり切り替え、1社1寺ごとに誠意と敬意を込めて手を合わせることが何よりも大切です。

初詣で何箇所も行くときの正しい順番や作法とお守りの扱い

複数箇所の参拝が問題ないと分かったら、次はスマートに実践するためのルールを確認しておきましょう。

どの社寺から順番に回るべきか、神社とお寺での決定的な作法の違い、そして授与品であるお守りやおみくじの正しい扱い方について整理しました。

氏神様を1社目に参拝すべき理由と専門社寺の役割

複数の神社やお寺を巡る際、昔から推奨されている最も理想的な参拝順序があります。

それは、1社目に必ず自分が暮らしている地域の「氏神様(うじがみさま)」へお参りするということです。

この関係性は、医療機関に例えてみると非常に分かりやすく理解できます。

  • 氏神様(地元の神社):日頃から私たちが暮らす土地や生活そのものを一番近くで見守ってくれている「かかりつけ医」のような存在。まずはここで、旧年中を無事に過ごせたことへの感謝を捧げ、新年のご挨拶を行います。
  • 崇敬神社・専門寺院(有名な社寺):学業成就の天満宮、縁結びの出雲大社、商売繁盛の稲荷神社など、特定の願い事に強い「専門医(総合病院)」のような存在。氏神様への挨拶を終えた後に、特定の目標や祈願のために訪れます。

まずは地元の守り神への感謝で生活の土台を固め、その後に専門分野の社寺へ願掛けに向かいましょう。

この順番を守ることで、筋の通った気持ちの良いお参りができますよ。

なお、自宅の氏神様が分からない場合は、各都道府県の神社庁に電話等で住所を伝えるとすぐに教えてもらえます。

神社とお寺で決定的に異なる正しい参拝作法の手順

神社とお寺を同日にはしごする場合、境内でのお参りの作法が大きく異なります。

混同してしまいがちな重要ポイントを表にまとめましたので、参拝前に確認してみてくださいね。

項目神社(神道)お寺(仏教)
入口(結界)鳥居の前で一礼。中央(正中)は神様の通り道のため、端を歩く。山門の前で合掌一礼。敷居(しきい)は踏まずにまたいで入る。
手水舎(清め)柄杓を使い、「左手→右手→口→左手→柄の洗浄」の順で清める。神社と同様に手と口を清める。(常香炉の煙を身体に受けて清める場合もある)
お賽銭と合図お賽銭を静かに入れ、鈴があればしっかり鳴らす。お賽銭を静かに入れ、鰐口(わにぐち)があれば鳴らす。
拝礼の作法二礼二拍手一礼
(深く2回お辞儀、2回音を立てて柏手を打ち、最後に1回お辞儀)
静かに合掌して一礼
(胸の前で指を揃えて静かに合掌。手を叩いて音を出さない)

お寺での柏手(かしわで)はNG!

神社のお参りに慣れていると、お寺の本堂前でも無意識に「パンパン」と柏手を打ってしまいがちです。

お寺では音を立てずに静かに手を合わせるのが正しいマナーですので、「今自分が立っているのは神社か、お寺か」を意識して切り替えてみてくださいね。

(※豊川稲荷や最上稲荷など、神仏習合の系譜から境内に鳥居があり柏手を打つ作法が認められている一部の寺院を除きます。)

複数のお守りを持つルールと正しい並び順や処分方法

社寺ごとに個性豊かなご利益やお洒落なデザインのお守りがあると、ついいくつも授かりたくなりますよね。

全国の神社を包括する神社本庁の見解においても、複数のお守りを同時に身につけたり所持したりすることは何ら差し支えないとされています。

神様同士が反発し合うことはありません。

ただし、お守りをバッグに複数付けたり、自宅の神棚や目線より高い清潔な場所に並べて置く際は、少し配置に配慮するとさらに丁寧です。

日本の総氏神である伊勢神宮(天照大御神)の神札やお守りを中央に配し、向かって右側に地元の氏神様、向かって左側に崇敬する専門神社のお守りを置くのが伝統的な序列(三社造りの場合)とされています。

お守りを手放すときのお礼参り

お守りや神札の有効期限は、一般的に「1年間」とされています。

授かってから1年が経過したら、感謝の気持ちを込めて社寺の「古札納め所」へお返しし、新しいお守りを授かるのが通例です。

遠方の社寺で直接返しに行けない場合は近隣の社寺に納めても失礼には当たりませんが、絶対に守るべきルールがあります。

「神社で授かったお守りは神社へ」「お寺で授かったお守りはお寺へ」納めるということです。

神社とお寺では焼納(お焚き上げ)の宗教的儀礼が異なるため、この区別だけはしっかりと守りましょう。

おみくじを何回も引く際の注意点とメッセージの解釈

初詣の大きな楽しみであるおみくじも、複数の場所で引いて楽しむことができます。

「今年の金運は金運神社で」「仕事運はお寺で」といったように、特定のテーマを決めて引くのも良い方法ですね。

もし同じ運勢全般について複数回引き、大吉と小吉など異なる結果が出た場合は、「一番最後に引いたおみくじ」の教えを現在の自分への最新メッセージとして受け止めるのが一般的な解釈です。

あるいは、吉凶の結果そのものに一喜一憂するのではなく、中に書かれている和歌や戒めの文章を読み比べ、今の自分に最も響く言葉を行動指針にするのが賢明です。

良い結果が出るまで同じ境内で連続して何度も引き直す行為は、神仏からのお言葉をゲーム感覚で消費することになり誠実さに欠けます。

どのような吉凶であっても、まずは真摯にその結果を受け止める姿勢を大切にしてくださいね。

忌中や喪中の初詣はどうする?神社とお寺の判断基準

ご家族や親族に不幸があった年のお正月は、初詣をどうすべきか判断に迷うところですよね。

この点に関しては、神社とお寺で根本的な死生観の違いがあります。

神社の場合(神道):
神道では死を「穢れ(気枯れ=大切な人を亡くして生命力が減退した状態)」と捉えます。

そのため、神域に穢れを持ち込まないよう、故人の死から「忌中(きちゅう:一般的に五十日祭までの50日間)」の期間は、神社の鳥居をくぐることや参拝が厳禁とされています。

神道のルール上は、50日が経過して「喪中」の期間に入れば神社への初詣も可能となります。

ただし、地域の慣習やご親族の意向によっては「忌明け後であっても、喪中(1年間)の間は新年の晴れがましい神社参拝を控える」と考える場合も多いため、周囲と歩調を合わせる配慮があると安心です。

お寺の場合(仏教):
仏教においては死を穢れとみなす教義がありません。

寺院への参拝はご先祖様や故人の成仏を祈る供養そのものでもあるため、忌中であっても喪中であっても、期間を問わずいつでも初詣に行って問題ありません。

※忌中・喪中の日数や慣習は、故人との血縁の深さ(親等)や地域ごとの風習、宗派によっても細かく異なります。

気になる場合はご家族や親族と相談し、菩提寺や地元の神社へ事前に問い合わせて確認しておくと安心です。

初詣に何箇所も行く計画を立てて気持ちよく新年を迎えよう

ここまでご紹介してきた通り、初詣で複数の神社やお寺を巡る「はしご参拝」は日本の古き良き伝統に基づいた素晴らしい行事であり、神様同士が喧嘩する心配も一切ありません。

まずは地域の平穏を守ってくださる氏神様に1年間の感謝を伝え、その上でご自身の目標や願いに合わせた専門の社寺を訪れてみてください。

そして最後に、古くから伝わる参拝の豆知識をひとつご紹介します。

昔の言い伝えでは、初詣の全行程を終えた後は、余計な寄り道をせずに真っ直ぐ自宅へ帰宅するのが縁起が良いとされています。

これは、境内で神仏から授かった尊い「福」や「良い気」を、途中で落としたり散逸させたりせず、丸ごと自宅へ持ち帰るためです。

複数箇所を回る参拝計画を立てる際は、ランチや買い物などの寄り道は参拝と参拝の合間に済ませておき、最後の社寺を出たらそのままスムーズに家路につけるようなルートを組んでおくのがベストですね。

神社とお寺の作法の違いやお守りの扱い方を少しだけ意識しながら、清々しい気持ちで初詣のはしご参拝を楽しんでみてください。

あなたにとって、実り多き素晴らしい一年になりますように!